清沢の神楽

山あいに響く神楽囃子 

〜力強さと哀愁〜 

静岡市葵区黒俣

山深い奥藁科の地に、深夜まで響き渡る太鼓と横笛の音−。静岡市葵区黒俣の峰山集落で11月下旬、県指定無形民俗文化財の民俗芸能「清沢の神楽」の奉納が執り行われた。時には力強く、また哀愁を帯びた数々の舞が上演され人々を喜ばせた。

舞台は桶狭間の戦い(1560年)で今川義元戦死の一報を駿府に知らせた後、今の黒俣の山中に集落を開いた今川家の家臣・小林作兵衛ゆかりの古民家。

五色の紙としめ縄で彩られた天蓋(てんがい)の下、「清沢神楽保存会」の会員が「五方の舞」や「鬼の舞」、「恵比寿大国の舞」などの神楽舞、「湯立て神事」をはじめとした特殊神事計23演目を次々と披露した。

(写真部・坂本豊)